そうして買いためるCDのうち、自分でもよく解らないが「とにかく
好き」ってなものが生まれはじめる。
一番妙なのがトリニダートトバゴの音楽「スチールドラム」ってやつ。
ドラムを使うんだけど、オーケストレーションで、60人ほどの人が
みんなドラム。いろんな音階を発するドラムとはいえ、ドラムだけで
60人がボンスカボンスカやるのである。そのくせ音楽の狭間にときどき
「ウォー!」「イェー!」って南国の雄叫びが小気味よくあいのてで入る。
そんなのの大会ってのがあって、そのCDでは8グループがボンボンワンワンと
70分近くドラムを叩く。
この音楽がすごいなあと思うのはガキも爺もムズムズしてくるような
陽気さがあることだ。コムロだのスピッツだののヤング向けの音楽に
欠けてる「どいつもこいつも」に入り込んでく陽気さがある。
ひたすらドラムのみな音楽がテレビラジオで受けるとは思わないけど、
戦争とか起こりにくくなったりはしないかなあ、などとボンヤリ思う
ことはあるんだけどね。
次にタイトルで買ってしまったCDが「ソビエト赤軍合唱団」。
題字の通りのCDで、ロシアの屈強な男どもの濃厚なぶっとい声が
合唱される。ホモにはたまらぬ一品でしょう。
「ロンドンニューズ・クロニクル誌」ってのによれば「もしソビエト赤軍合唱団の
歌い手たちが前衛部隊として送られたなら、彼らはそのオペラハウスという基地に
おいて、世界中のどの都市であろうと非武装のうちにあっさり陥れるだろう」などと
書いている。(CD・ヴォルガの舟歌の解説より引用)
いざ聴いてみますとどの歌きいてもなんだかコサックダンスしながら歌ってる
みたいな野太さがあって、笑えてきます。でも「カリンカ」などを「カッカリーン
カッカリーン、カッカリーン・カッマッヤッ!」と屈強な男どもの合唱で
聴いているとなんだかひどく隅においこまれているようなガブリヨリをかんじ、
最後に「ヘェーーーーイッ!」なんて叫ばれてしまいますと、もうただただ
うろたえるばかりです。ゴメン、許してっ!って感じですな。
いや、なに、あたしもフツーの音楽だって聴きますがね、今回はキワモノを
お伝えしてみました。