テレビや洗濯機なら用途が設定されてるから、コンセントつなぐだけで
おおむね扱うことができる。でもコンピュータ買うときにはその目的も
けっこうあやふやで、買ったあともむやみに設定やフリーズがつきまとって、
とうていひとりでは太刀打ちできない。そんな難物にあなたは果敢にも
チャレンジして、いま、こうしてこのエッセイに触れている訳ですね。
「コンピュータ」ってひとことにいうけれど、それは設定如何でいろんな
家電になるものであって、その醍醐味は「設定」してゆくプロセスそのもの
なのかも・・なんて思えるくらいに、設定が多い。
わたしはMacintosh買うときに詳しい後輩にまかせきりだった。家電買うときは
コンポだとうが、カメラだろうが、さんざ迷って、悩んで、決めあぐねても
自分で決める質なのだが、こればかしは知識がちっともなかった。なのに
「買いたい」と思ったのは私の場合「インターネット」を始めたい一心
だったのだ。なぜか?未だにはっきりしないんだけど、とにかくひどく
切羽詰まった様子でパソコン買ったのだ。買ったものの、何をどうすれば
いいのかとんとわからない。モデムやらプロバイダとか、30年近く
生きてきて使ったこともない単語に初顔合わせした上、こいつらを使わないと
インターネットはできねえ!ときたもんだ!なんたる傲慢!!
見るためには「ブラウザ」ってのが要るとかぬかしやがって、それもネスケだの
エクスプローラだのの、2だの3だの4だのがワンワンいってる。そこで
でました、山盛りの設定。加えて「電話回線」の用意、かさむ電話代、
テレホへの入会、11時以降のむやみにこむ電話、イライラムカムカは
どんどん募っていった。泣きそうな思いでやっとできたのはむやみに
読むだけの画面と、メールと呼ばれるメッセージシステム。はぁ?これが
インターネットなんかい?とひどくくたびれたことを思ったものだった。
こうして2年そこそこになってきたコンピュータも、やはり母などの年代に
いわせるとワープロと大差ないみたいで、「知人のおばちゃがワープロの
練習したいみたいなんだけど、安いパソコンないかなあ?」などとイマイチ
得体のしれない、そして正直なお願いをしてくる。パッと見に、キーボードと
ディスプレイがあれば「きっとワープロ」という認識なのだろう。そうだよ、
ワープロでいいんだよ、パソコンは。ただそいつに人とやりとりさせるものが
ついてたり、絵を描いたり、音楽作ったりと便利なものがいろいろついて
くるんだ。んでもってプリンタやスキャナやらカメラとかひっつけるものが
たくさんあるのが、パソコンなんだ。そう、買ったあとにもいろいろくっつける
家電、それがパソコンなんだね。
で、やっぱり友人はこう聞いてくるのである。「コンピュータってどれを買えば
いいの?」本人の使いよう、がそのままコンピュータの用意するものになる。
たいていの場合、買い始めには大した理由なんてないんだ、コンピュータって。
だからその人の趣向を考えて、なるべく長期的な展開の望めるコンピュータを
オススメしてみるのだが、さんざ苦労して推薦してみれば「高い!」「わからん」
とたいそう正直で、ガックリくるのである。そのくせひとりではいろいろ決められない
ものがたくさんある。もー、コンピュータって手間だよなあ。