たまーに、ひさしぶりに会う人たちに、案外「最近のながや」の素性が
バレていることがある。「あれ買ったんでしょ」とか「どこそこ行ったんでしょ」
と話をふられるので「なんで?」ってことになるんだけど、だいたい、この
ホームページを見ているのですね。
こっちが暇つぶしみたいにやってることが、日本のあちこちで、こちらが
予定してないところで観られていて、具体的に昨今なにかに役立つってことが
ないにしても、つらつらと「そこにある」ってだけで見てもらえる。
昨日、リンクの整理をした。最近になってホームページ閉鎖って人もたくさんいる。
私はあんまり義理立ててリンクする人間じゃないし、特定の情報ソースになる
HP以外に特に発掘の意欲もあまりないので、パリともからリンクされてる
ところが5年もやってるにしてはあまり多くないので、整理ったってたかが
知れてる数だ。
その中で一人、KIYO−Tという後輩がHPを最近閉鎖した。
その理由が「見て欲しくない人にも自由に出入りできるってことで、
実際の生活の方でいろいろ不自由が発生した」みたいなニュアンスの
ことわりがあったんだけど、これはHPやってる人なら一度は心覚えのある
感情だと思う。
ネットって誰彼なく観られるものだし、こちらの予期してない人も読んで
いけるものだし、実際にまだ一度も会ってない人にでも親近感を抱ける
方法でもあるんだけれど、案外、デメリットの方も放っておけないくらいにデカイ。
社会関係、人間関係を破たんさせていることもネットで起こるし、
知りたくないことも、分かってしまう。
じゃあ、と匿名で、こっそりするHPってのもありとは思うんだけど、
それって、なんか、面倒くさすぎる。
人のやってるHPなんてのは分かる人にはどう隠れた運営をしても探し出す
手立てはあるものだ。ネットなんてのはリークにリークを重ねてる不毛さや
その発信ソースの曖昧さだって「OK!」ってハナからいってるメディア
なんだから、いっそ「いいですよ、誰でも見ておいてください」ってことになる。
それを許してしまうと、今度はホームページに「書き込む内容」がおのずから
「人に観られたっていいもの」に幅が狭まってきて、なんとなく窮屈な
気持ちになる面も実際ある。
そんなのわかってる上でホームページ、ってことになるんだけど、今度は
更新がおぼつかなかったり、HP作成当初に対して、長くHPやってると
自分の趣向が激しく変化してきたりして、今それそこについてきてくれた
常連さんや、多彩すぎる人脈の混沌から掲示板が荒れたりなど、「管理者、
なんとかして!」みたいな静かなプレッシャーまで入ってくると、なんというか
「ただオモシロソー」と言ってはじめた、当初のドキドキ感よりも
「突然リーダーシップを強要された」ような被害者意識ばかりつのっちゃって
ただツラクなるのである。
ゆえに、知人のHPはいくつもなくなってきた。
更新できなくなってきたり、実生活があまりに切なものに至ってたりと、
理由がホント、さまざまなんだけど、つまるところ「いつやめたっていい」のが
HPの持ち味でもあるから、つらかったらやめていいのである。
返せば、わたしはこのホームページが面倒でもなく、つらくもなく、なんとなく
自分にフィットしてる媒体だな、とは思う。マンガ書いたり映画撮ったり
印刷やってきたりしてきたことが、クライアントの制約無しに好き勝手に
更新できるのだ。絵も書くし、文も書くし、なんというか、楽なのだ。
そしてこのホームページってものでしかつながれないものだってあるし、
ホームページってものの持つ「悪い傾向」もかなりわかってきてる。
”パリとも”は昨今、1日に30人〜100人が御覧いただけていると解析ソフトに
出ていますが、そのうち1/3は「野球拳」なのね。
”パリとも”の本質を知っている人にはわかると思うんだけど、このHPでは
野球拳なんて極めて異端なのね。でもサーチエンジンなどでヒットカウント
あげたいだけなら、こうした素材をもっと増やせばカウントなんてどうとでも
あがるのね。でもそれってなんだか的が外れてるでしょう?そもそもその手の
HPでもないんだし。
ホームページってのはよくも悪くも、その人の「見せてもかまわない」裸の一部
ってことなんでしょうね。全部をみせることはしなくてもいいし、見せたいように
見せてたつもりが、実際人によってその解釈はまったく別のものになってるし、
怖いと言えば怖い。それは世の中にふつうに起こってることでもあるしね。
先に挙げたKIYO−TのHP閉鎖した気持ちは本気ゆえに、やめざるを得なかった
気持ちのよい答えだと私は思う。正しいとか間違ってるとかじゃなく、
不都合がキチンと分かってやめただけ、HPをただ見てた人とは違うものを
ちゃんとみつけられた撤退だもの。キチンとしてます。
「ホームページらくらく」みたいな見出しを雑誌で見かけるたびに「まぁ、たしかに
楽々だけどさ・・」ってシンミリくる。人ってそんなに発信したいことなんてないものよね。
ん、このエッセイにことさらキメ文はない。だらだら書いてみました。
なんとなくね、世の中が真剣すぎて、どーもホームページも本来の面白みを
「真剣さ」で殺しにかかってるような危惧を覚えましたんで、ここにそれっぽく
書いてみました。