キタキタキターーーーーーーーー!!鉄人28号みました?
みなさん!!かっこいいねー。強いねー!でも「♪いいも悪いも
リモコン次第〜♪」なのよ?正義の味方かどうかはリモコン次第
なのよ。そーよ、それがロボットってもんよねー。
一生懸命に働いてる大人達がたくさんいる。ランニングシャツ姿で
エアコンもない時代に、でっかい氷をどかんと部屋において、暑さを
しのぐ中で、世の中を信じてる人間達が働いてる中で、鉄人の物語が
はじまろうとしている!なんてまぶしいことだろう!
犬型愛玩ロボットだの演奏するロボットだの、そこには「世界」って
ヤツが決定的に欠けてる。鉄腕アトムの押し付けてくる正義感よりも
ドラえもんのあらかじめ平和な便利世界よりも、いいもわるいも
リモコン次第な鉄人28号の未来は、正太郎少年の手の中にあるという
この輝きが、まぶしくって仕方ないのよ!
いっくら「少年探偵」の正太郎少年たって、オープンカー乗り回す
正太郎少年たって、子供なわけで、そこをことの見事に補完するのが
村雨兄弟であり、大塚署長であり、敷島博士であり、正太郎少年だけの
自由奔放なリモコン操作に世の中がノッテいけるはずもないのよね。
だから正太郎少年の周りには大人がいる。汗をかき、知恵をだし、
策略とその実行ができる大人がいる。彼等大人の周りにはランニングシャツ
姿で頑張ってる傍役のような人たちや、街頭に立って交通を整理する
女性警察官が凛と生きる世界をつむぎだしている。なんて美しさだ!
なんて立派な世界だ。あやうくも、みんなが頑張ってても輝く世界だ。
ジャパニメーションとかいわれる日本製アニメをちょっとこのごろ
気持ち悪くなってたんです。そのおどろおどろとしたくすんだ未来観の
連発がイヤんなってたんです。「イノセンス」劇場でみまして、すさまじー
世界観構築のその量、ち密さ、奥行きにどきんどきんとしましたが、
「映像」がすごくても、この未来はちょっとカンベン、って未来だったのが
どうしても飲下せなかったんです。「メトロポリス」もソレでして、
面白かったし、ち密だったし、手塚ラインの絵ヅラも非常に好きなんですが、
やっぱりその世界がつむぐ「未来」が薄暗くて、うじゃうじゃ人が出てるのに
なんだかみんな一斉にむげにされた世界のように描かれてる。手塚マンガの
傍役達は、そんなに悲惨な世界に生きてたっけか?と不安になりました。
鉄人28号みてて、ああああ、!これよ!
って思えたのはソコなんです。冒頭の「戦後」にはじまった世界が重苦しく
みえないのは、そこに生きてる傍役たちのはつらつとした生きざまが
さんぜんと輝くからなんですね。村雨兄弟がイカしたスーツに小意気な
立ち回りが痛快なのは、「みんなが一生懸命」な中で、ポリシーと
スピードを発揮する大人だからなんですね。ランニングシャツで汗をかいて
ロボットを作るひとたちの見上げるところに「未来」をみたくなるわけです。
ブレードランナーの世界は、あの作品だけで、もういい加減いいじゃありませんか。
サイバーパンクの世界はギブスンの作品だけで十分じゃないですか。
ドラえもんもアトムもどこかきちんと私の中の質問にこたえてくれなかった時に、
鉄人の「♪いいもわるいもリモコン次第〜♪」なスタートが、うすぼんやりと
明るさを点す、信じていい方の未来に、思えたのがものすごくうれしかったんです。
うれしい世界観ですよ、これは。オープニング、泣きそうになりました。
鉄人がかっこいいです。そこの世界に生きてますよ。暴れてるし、戦ってる!
そこに汗をかいて生きてる人間達の上にきちんと暴れてる(ヒデエ!)。
世界があって、人がいて、そこを舞台にハデにやらかすロボがいる。
その直線上に、うっすらと見え隠れする、明るい方の未来。その世界が
もともと描いていた、その「明るさ」をみやった演出のセンスのよさに
脱帽いたしました。そしてモロ手を挙げて歓迎しちゃうんです!
「ようこそ!鉄人28号!21世紀へ!」
ビバ!ビバよ!もう!うれしいや〜。