ミッドナイトNHK
いやアーリーモーニングNHK

真夜中
いやいや
早朝のNHKテレビってね、とてもマイナーで、そして含蓄のある
匠のコメントをきける番組がけっこうやってるの。
んでね
そいういうのってすごく見てて、ジンとくるんです

んでね
ある夜みた染め物師の話があります
染め物はね、古来1000年2000年と続いてきたものなんだって。
だから技法としてはすでに出尽くしてるものなんだって。
新しいものを発見したり、つくり出すよりも
その古典とする宝物院とかに所蔵されてるような染め物の技法を
再現することの方がどきどきする凄さなんだって。
60越えた爺様がそういうと「そうなんだ!」ってなんかうれしくってね。

実際平安時代に「かさね」という重ね着が流行るまでは、日本の
染め物技術は最高基準だったんだって。重ね着する、という、
技術としては「安きに流れた」ことで、染め物の技法は少し後退
しはじめたんだって。
ほら、スケールも大きいよね。

植物とかに染め物の素材って依存してるでしょう?
だからアジア近隣の中国とか韓国と使える色って一緒なんだって。
生えてる植物に大差なんてないもんね。
すごいよね。なんか、スケールがいい。

その色っていうはね、世の中のいろんなものからもらうんだって。
自然の中のいろんなものから「もらう」の。

現代はいろんな色が贅沢に、そして安易に手に入るから、
みんないろいろ着てるけど、その匠は「私から言わせてもらうと
無駄な使い方してるな、と」ってポツリというの。
うん、そうですよね、ってテレビの前で正座になってた自分もうなづきました。

今日、スペースシャワーTV見ててね、KREVAって日本人が
ラップ・ヒップホップ歌ってて、ああ、これだ、この違和感が「無駄」って
感じなのかな、って、ね。

ヒップホップとか、ラップはラテンの血の上にそぐう「魂」から
でるものでしょう?
それをスタイルから、印象から、安易にうわっつらではじめちゃって
果たして大丈夫なのかなあ、って。
返せば、自分の生まれたところの「凄み」や「源泉」を垣間見ないまま
「手に入るから」程度の幸せに、イキオイや雰囲気で走ってる
わたしたちの生活は、「いろいろあるけど」幸せ、とは違うと思うんです。

色、を出すのに素材が「生えてる」ところに出向いて、
いろんな色たちをかけ合わせて、たくさんの、たくさんの失敗と実験を経て
ようやく手に入れた「1色」を知ってる匠がさ、たくさんすぎる色を
悲しむのは、そうだよなあ、って。

ぼくたちは思ったより幸せなところに生きてるはずなんですよ、きっとね

 

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