芸大ってところの描写を思うときゅーんとしてきます。
いいですよ、このまんが。とっても「気持ちいい」んです。
成就しない恋、ばっかりの物語ですけど、それに「酔う」でなしに
「それでも」進んで過ごしているという、男の子、女の子の自然さが
胸をしめつけます。
まんが喫茶いどともで店長にお勧めいただきまさにむさぼるように
読みましたが、いや、もう、切なくてうれしくてため息でましたね。
はふー、って息を抜いてたら店長がいらっしゃったので「いいッスね」と
ほめほめトークにいたりましたね。ええ、ええ。
私もいどともさんも芸大経由しておりますので「キャンパスに陶芸してる風景」
やら「廊下にキャンパスや模型」「上の階から楽器の練習の音」「屋上から
発声練習」などのシチュエーションが、お互い想像にやすく、それがいよいよ
「ハチミツとクローバー」の理解を早め、非常に盛り上がってしまうわけです。
おっといけねえ、「ハチクロ(略しかたこれでいいですか?ファンの方々)」の話しでした。
少女まんがっていうのは、恋がけっこう上手くいってる人の話で進むものであって
それが破局しそうになったりライバルがあったり、っていうのが「すったもんだ」で
面白いんだと思ってました。
ま、私は男性なのでもともと少女マンガを読む方ではないですけど、ああ、なんでしょ、
こんだけ「成就しない」まんまなのに、こんなに読む側が惹かれるのはなんなんでしょう、と
気になったのです。
そうそう、ながやは森田先輩派です。
(これはいっておかないとね)(いいよねー、屈託のなさ)
「しのぶのズンドコ節!!」
「コロボックル!!」って叫びたい!!
ああ!!おお!あおう!
ああ、違うのだ、そんなんじゃないのだ。エッセーですよ、ハチクロ(これでいい?
ファンの皆様?)についてのエセーざんすよ。
読んでてやきもきしながら、そのキャラごとにかかえる葛藤に、読んでる側も
一緒になって答えを迷って、焦って、気持ちがぐるぐるしてきますね。
んーで、そのどれもに正解がなくって、迷ってみたところで同じように動き出せる
わけでもなくて、ただ登場人物の「成りゆき」を見守るので一生懸命になりますね。
んーこれが
んーんー、これが
なんかねー、気持ちいいんですよーんー。
んで
なんでこんなに「うまくいってない人たち」を見てて気持ちいいんでしょう、って
思ったんです。
なにを読み取って、こんなに読む側は気持ちいいんだろう、って。
うまくいかない、のを見てて「そーだよなー」なのかな
んー、なんかちょっと違うよーな気がする。
うまくいかない、のをみてるんじゃなくて
「人を想う感じ」がいいのかな。まず先に自分が「想う」ことで
相手にどうの、って前に、自分で自分に見つける気持ちがうれしいのかな。
で誰も自暴自棄になってない。
「それでも過ごしてる」その生活が、どこか潤っている。
うまくいく、っていうのは、本当の意味では「うまく」はないのかも
しれませんね。うまくいく「恋」はそこで本来味わうものの半分なのかも
しれませんね。半分は「恋」することでしか理解できない「失恋」でも
あるんでしょうね。多分ね、きっとね。ま、なんせあんまり恋多き方でも
ないんでそこいらへん、どうもね。
だって失恋の方が「たくさんのこと」を考えるでしょう?言葉がガゼン増えます。
「自分の『すき』が相手にとって迷惑になってるんじゃないか」とか
「私は『こんなに好き』なのに、どうしてあの人にはそれが伝わらないんだろう」
などのよーに、「自分の中」と「相手の中」の両方が考えなくちゃならない
ところになります。途中までは「自分の中」の気持ちは分かっているつもりだったのに
だーいたい途中で「自分が分からなくなる」ようになってくる。
それは「恋」をしてるときでないと、そういう考えることをしないものだし、
ふだんのふつうの生き方の中ではそういう恋は、いろいろ気持ちに波がたってしまう。
でもさー
恋ってやつはさー
「恋」と「その他」に分けてしまいますから、「恋」が先にきちゃうのがおおむねだから
その人が本性でなくちゃつとまらない。んー、だから、そこでしか見れないものになる。
おっと、ホームページでまんが作品やアニメのページにゆくと、その作品観やキャラへの
愛を語るものが主でしょうけど、パリともではそーゆーんじゃないんであらかじめ
ごめんなさいね。私はその作品をとおして自分が手に入れる「目線」を人と分かち合えれば、
などとソーダイに、誇大に、やっておりますゆえー。ゆえー。
うまくいってない、ばっかりの「ハチクロ」の居心地のよさは、わたしたちが実は
「ゴール」だけを目指して恋を追ってるんじゃないことが分かる。「ゴールまで」も
実は「恋」であります。いやいや「ゴールまで」の方こそ「恋」の本質なんだろうな。
いらん
そんな分析はいらん
ああーでもー
なんもいわんではおられないまんがなんスよー
つか
アニメのできもすっごくいいよー
だって「黒田洋介脚本」なんですもの。いやー!
たくさんの「恋」がある中で一斉に行方がわからないって時に、「成就してしまう恋」は
「ドロップアウト」ですものね。成就のあとにも続く「恋」はその「維持」にかける
工夫や努力の物語だものね。
あー
んー
そう、
ハチクロでもうひとつ、あんまりクローズアップされないだろうけど扱ってくれてた
ものが、芸大ってところは、あちこちから「ものを作る」ことをする人たちが集まってくる。
それは本当にそうで、芸大のキャンパスを歩いてる人は、少なからず「ものを作る」ことを
考える人たち、そういう人たちだけで構成された世界。学食も、体育館も、廊下も、
池も、駐車場も、先生も、生徒も、図書館も、「芸大」ってところはもの作りを
する人たちばかりなのだ。
恋ウンヌンでありながら、その実「自分」を発揮することに、ひとつ、自分がチャレンジ
するものを、「ふつうの大学生」よりは濃いめに知ってる連中で出来上がった社会。
だからハチクロではみんななにか、自分の気持ちを発露するものを持ってて、それが
上手でも下手でも、正直にぶつける方法を持ってる。それが実はすっごく、いいなって
思ったのかも知れない。
うまくいく、いかない、ではなくて、
その時々に起こることや、気持ちをとらえて、「エネルギー」にする人や「作品」は
なんというか、「その時」でなくちゃうまれない。そこに立ち会える幸せ、は
お芝居の「生」ってものと似てるかも知れない。
ちゅ、ことで、ながやはハチクロ大プッシュです。
見てね!読んでね!面白いから。ええ、ええ、ええ!