「星界の紋章」「星界の戦旗」というのはSFの小説がもとの作品のようです。
ようです、ってのは、わたしが未だその小説を読んだことがないからです。
ですがなぜかここのところ大好きになったのは、WOWOWでアニメ化されて
いたものをみたからです。それも例の東海を襲った豪雨で名古屋が水浸しになり、
わたしの住んでいる愛知の町でも川が欠壊し、消防団員のわたしも夜中の二時に
出動命令がでた、その前日に、「明日はバイト休みだし、アニメでもみたろ〜」と
ノンキなことを考えてたってーのが、なぜか翌日昼までひたすら消防活動に
費やすことになり、昼からは打ち上げの飲み会になり、ボロンボロンの体調の時に
「あ・・・いけね・・・みなくちゃ・・・」と半目になりながら、すごすごと
見始めた、というイントロでした。
とりあえず、4巻借りていたのですが、4巻見終わっていたころにはアドレナリンが
脳のなかをジュージュー走り回っていまして、「これや!」とひどくガッツが
湧いてきていたのです。そして「やべぇ!まだ三巻あるじゃん!」と慌ててのこりの
巻を求め始めることになりました。
ここで本来なら小説に向かえばいいものを、なぜかわたしは「ラジオドラマCD」に
目をつけまして、集め始めることになりました。実際の映像を見ることと、ラジオ
ドラマの生み出す「想像の映像」を比べたかったのです。で、本日、ようやく
出回ってる「星界〜」のCDたちを全部集めきりまして、ホッとしているところです。
で、なぜかまだ小説の方に惹かれずに、それでも星界星界、とのたまっている昨今
なのですな。
簡単にいってしまうのなら、この作品は宇宙一の大きな帝国の王女様と、地上出身の
なりゆきから爵位をもらった主人公のスペースオペラなのです。いうなれば、よくある
アニメのひとつなのに、なぜかこの作品の居心地のいいこといいこと。
キャラクターのおかげかな、それとも物語なのかな?といろいろ思いましたが、
最近の印象では「しっかりしてる姿勢をしてる人間」をその作品の中にみることが
できるのが、どうやら気持ちいいようです。
政治だの、邦画だの、お芝居だの、仕事だの、なんだかこのごろの世の中には
直視にたえない「粗末なもの」が多すぎて、辟易としている時間が長過ぎる。
気を抜くと、アッというまにつまらないことに囲まれている自分を見つけることが
非常に増えて、ああ、なんだか傷付いていることになれようとしてることに
ハッとするのです。「いいものがみたい、いいものがみたい・・・」とひどくのどの
乾いたような気持ちになって、でもそれがうまく言えない感情で煩雑な気分になり、
まさに「やりきれない」時に、この作品はその気持ちに応えてくれました。
いえ、かといって飛び抜けてすごい!という作品の部類には入りません。
スタンダードでオーソドックスなものに囲まれてできている作品です。
それでも普段生活していることで、期待していても観られないものがたくさんある
世の中で、この作品の持っている魅力は、昨今なくなってきた「姿勢」があります。
人間の姿勢、です。ああ、やや大仰ですが、わたしにはそれが感じられて、とても
気持ちよかったのです。だから全部見たり聞いたりするまではこの熱はさめない
ことでしょう。モチロン、わたしは気に入ってしまうと、その作品の気に入った
部分をいただかなくては気がすまないので、その納得できるまで、くり返し見ます。
第三者にはかなり奇怪に見えるくらい繰りかえし見返します。
で、あの豪雨の日からもうすぐ3ケ月くらいになるでしょうが、まーだ熱がさめない。
さめないどころか、膨れ上がってきている。なのにまだ仕組みが納得いかないのか、
大好きなのか、とにかく壊れたようにくり返し見返しているのです。
で、飽きない。とにかく飽きないってだけで十分すごいこと。見るたびに「姿勢」が
心に「しゃんとせいよ、ながや」といってくるのです。
最近、なにか面白い作品ないかなぁ・・といっていて、「星界〜」をみていない人が
いたら、オススメですから、見るのです。うん。以上。