うかつにもコメットさん

さすがにこの年令にあって、アニメアニメってのは
いかがなものよ?って思わないでもないのですが、
コメットさん
いいね!

大場久美子世代の人こそはワタクシ本来の「ナツカシー」
世代のはずですが、私はアニメ化されたコメットさんを
絶賛する者なのです(エヘン)。

物語のていねいさ、言葉使いの豊かさ、キャラクターの
素朴な目線のあり方が大好きなのです。出合いは(ハッ!)
衛星放送の試聴期間のときに、丁度コメットさん1〜2話
やってたのね。はじめ「ホホウ、あのコメットさんかえ?
今さらコメットさんもないでしょーにー。どぉれひとつ」と
つまみぐいのような軽い心境でみたのですが、あうっ!あうっっ!

1話の最後の方で、雨ん中、雨宿りもしないで、心細い
コメットさんが「星ぢから」でだせたメロンパンを涙目に
なりながら、雨ざらしになりながらパクッといくシーンが
あるのですが、そのみじめさがガツーンときまして、その
ミジメなところをある家族のお母さんに声をかけられるのですが、
その時のコメットさんの遠慮なしの、ぶざまな表情がどことなく
わたしの「心当たり」にドカンとぶつかってきまして、すっかり
まいりました。

話はそれますが、かつてN森さんという同級生がおりまして、
そのお父さんと映画のつながりで懇意にしていただいておるの
ですが、その方が「ながやくんみてると自分のミジメだった頃を
思い出すよぉ」と話してた、と聞いたことがあります(俺で?)。
お金もなくって、工場で働いているときに、みんなは御飯を食べに
外へいくのに、おじさんは工場の屋上でパンを食べてた、というのです。
で、いつかきっと・・と心に決めてた、そんな風景が、ながやくんに
カブる・・・というような話です(なんとなんと)。

コメットさんはそれを感じるんです。
「コメットさんはなにしてたの?」
「輝き磨き、してました」
そんなやり取りが自然とされてるアニメです。キメ台詞でもなく、
頑張ってひねり出した言葉でもなく、日常のスピードで、気負いのない
状態で、するりと生きる、そんな印象がたまらなく素敵なのです。
なにかに向かってヨイショ!ドッコラショ!ってんじゃなく、
自分にニジミでる、自然な魅力への「磨く」という表現。

それをする作品がいくつあるでしょうか。
雑なものに疲れた人、頑張りまくってるだけの人、自分の本意と
別のもので日々を過ごしてる人、自信があんまりない人、
コメットさんはすんなり言葉を見せてくれます。それは、とても
素敵です。そう、素敵。

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