作成日: 10/06/01
修正日: 10/06/01
最初から最後まで
わたしのお店
6年前にお店を任された。はじめて聞く名の市に、一から準備して立ち上げた。
オープン当時、お店はネット上では悪口、ののしりが続き、ネットを見る気が失せた頃もあった。名指しではないものの、
明らかに私を誹謗するものもあった。精一杯やってるのに、思いつきをぶつけてくる人もいるさなかで、
正気を保つのはなかなか難しいなあと思ったものでした。休みのたびに逃げるようにあちこちに出かけ、
自分は弱い人間なのだと自覚もした。
それでも味方になってくれる人、個人的に助けてくれる人がこの6年で一斉に、大量に生まれました。
閉店の決まった1ヶ月、それまで一度も声を聞いた事のない人が、残念ですといった旨の言葉をくれたり、
今度飲みましょう、と我が事のように誘ってくれる人が、何人も何人もいて、優しい言葉で滅入ることが
本当に多かった。
この時勢だから、潰れて行く店を何店も見てる。
閉店が決まるまでは素敵な店舗運営をしてた店に、告知が立ったとたんに、平静を装ってただけみたいに
死肉にむらがるピラニアみたいな連中の餌食になっていった店もみてたから、それだけはさせねえぞ、って
気負っていた1ヶ月。粛々と、丁寧に、ほとんどの人が残念ですって言葉と、次どこいくの?って言葉が
8割くらい占めてたと思う。
昨日、閉店させたあとのスペースはとても広く、がらんとしてる。
年中無休でやってきたから、今晩から店の看板はもう光らない。それまで毎日明るかったところが
ぽっこり暗くなる。
個人的に、私に声をかけてくれる町に住めていることを感謝します。
名前は知らないけれど,顔はお互いに分かってて、ぺこりとしたり、微笑んだりする。
何人かは顔を見にわざわざ店の周りで待ち伏せてもくれた。この町に自称するお母さんもいる(これ、私の息子よ、って)
脅されたり怒鳴られたり喧嘩のさなかに入ったり,真夜中に金庫泥棒がでたり、部下が何人も逃げ出したりしたけど、
とーーーーーーーってもいい連中と何人も仲良くなれて、静かに助けられて、うれしかったり、大泣きしたり
もうなんだか本当に忙しくって大変な運営だっけれど、
楽しかったです。
楽しかったんです。
嫌な事、帳消しにしたいや、って自分の方から思える場所でした。
みんなの今後のいろんなものをもっと見たかった。リアルタイムに並行して生きてるから、なにがしかの
流れは知る事ができるだろうけれど、お店に私が偶然いて、レジから出られなくって、チョイチョイって
話すだけでお互いにんまりして聞き受けたかった。
諸行無常に一期一会。大事にします。みんな本当にありがとう。感謝します。
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