作成日: 11/01/18
修正日: 11/01/18
無尽蔵なぼくら
際限のないわたし、ってすごい
そんなにお金持ちじゃないですけど、住むところ、寝て起きて、ご飯が食べられて、雨も雪も風も
しのげる部屋があるので、今は幸せです。
こういうのが当たり前、じゃないだろうなと予感するのが現代ってものでして、どんな大人だって
「誰かから生まれた子供」であるわけで、その「ちっちゃい子供からご年配な子供まで(いわばご老人)まで
どの世代でもどの時代でも「生きてるって面倒でしんどいなあ」と感じ受けていることでしょう。
それでいて、心の奥底で「昔の人はよかったよなあ」と羨もうとするきらいがあるんですけど、
ほんの少し前の時代だって、そんなにいいもんじゃなかったですよ。
私はバブルド真ん中を青春時代に相当してますが、ワンレンの人がジュリアナ東京で踊ってようと、
金持ち地上げが商売繁盛でタクシー乗り放題な人たちがウハウハでも「うらやましい」とも
「すごい」とも違う違和感があっただけでした。就職はしやすかった時代かもしれませんが,
社会の持つ「余力」程度のものでうまく進んでるものに便乗する程度の幸せは、崩壊も早いですし、
なにより「維持」ができない。トーゼンの帰結ですから、「振り回された感」の強かった時代でしか
ありません。そんなにいいもんじゃありません。そんな時代が「いい時代」とか言ってる人は
ろくな人じゃありません。
まったく今の時代の方が便利ですよ。
複雑ですけどね。そしてどこか閉鎖感、封鎖感が伴ってますけどね、大きくみれば手にした「便利さ」を
裏打ちするものが維持されるための対価ですから、便利さを捨てれば、スッキリはできるでしょうね。
さて、誰もに「収入」というものがあると思いますが,お金って不思議じゃない?
どんだけあっても「足りた」感がない。
昔より額面を多くいただいても、見事に使い切る。見事に。それはもう。
かといって、それほど使ってる人本人に、相応の「幸せ感」に達してない。むしろ「追われてる感」が
強くなるものです。
家族、身内を持つ人は、それこそ「自分以外の人」と一緒に生きていくためにサラリーを得続ける
「任務」というか、「責任感」というか、「罰」のように、延々と際限のない実入りを得続けなくては
ならない。
これは「お金が足りない」んじゃなくて、「どこまでも欲しい」という「妄想」の世界の話です。
どんだけあっても足りないし、ある程度までなら少なくてもなんとかなる。どっちにせよ「足りない感」は
脳の中で起こる「症状」であって、お金の量加減にヤキモキしててもいい気がしない。
もひとつ。
お金は子供も大人も関係なく持てるし使える。
これもつまりは「便利アイテム」のひとつであって、それが「食べ物」に変わったり「住む所」に
変わったりしてくれるアイテムだから、その「交換性能の高さ」から、誰もに求められる。
国も人種も越えて流通してるから、それを確保してあればなんだか「いざというとき」が
備えてある感じすらする。
お金がどういうものか、というのはその道のプロが考えていればいいんです。
私は「お金に見てるもの」その無尽蔵さ、際限のなさが、気持ちの中に「発生」してることが
「自分の奥底」を覗き込んでるみたいで、一瞬ハッとする。
「お金さえあれば、あれもこれも・・・」と考えてるとき、よく「考えてる」と思います。
お金以外で、そんなに頭を働かせない人だって、お金とその量、使い道では、随分頭を妄想させます。
モンティパイソンのコントの中でエリック・アイドルが高らかに「マネ~!」と歌い上げる
ミュージカルがあったと思いますが、あれです。「すばらし~!」と歌い上げてるんです。
コント仕立てにしか見えないような妄想を発揮しちゃえるアイテム。
この「妄想」の無尽蔵さ、多彩さ、深さが、もっと別の事に発揮できればいいのに。
パソコンだってすごいじゃない。字となり絵となり音楽となり映像になり通信になり、こんな変換能力の高い
アイテムが世の中にゴマンとあるのに、その扱われ方はおおむね「自分がよく使う機能」だけに
終始して、興味の湧かないスペックや機能は「ない」扱い。
パソコンは人に似てるね。よく使うアプリケーションだけでしか、そのコンピュータの存在価値を
「考えもしない」扱い。
実は、もっと、できるのに、ね。
それがさっきから言う「お金」に対する私たちの「無尽蔵な、際限のない期待」くらいに執着した
「使い道」の連続。その想像力の大きさくらいは、自分ってものにもっと開拓感があっていいのに。
一方でその無尽蔵ぶりを、業の深さ共々「自分の実力」として照らしてみれば、「なんだ、自分って
こんなにいろいろ考える事できるじゃん」と拡大解釈して、自分というモチベーションやスキルを
転嫁して使えばいいのです。お金よりもコンピュータよりも変換能力の高いのが人だもの。
悶々とする余力を生んじゃうほどのリビドーを「生かす」通り道さえ作ればいいんじゃないかな。
なすがまま、じゃなしにね。
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