作成日: 15/01/17  
修正日: 15/02/01  

東京関西鹿児島

新幹線も飛行機も便利ね



3日ほど東京浅草のホテルに泊まる機会を得まして、日頃と違う空気を満喫しました。
地方から東京に入ると、すうっと軽くなるものがあります。街そのものが「威力」というか
「活力」のようなものをみなぎらせてくれていて、自分の実力以外のなにかも蓄え込んでくれる
感じがします。それはかつて大阪でも同じ感覚を受けました。つまり、地元では「街の方が
迫ってきてくれる」迫力のようなものが、ちと足りないのです。反面「実力相応のもの」を
見定めるのが難しくなるのが都会でもあると感じます。

今ひとつは3日の滞在中、外食が増えるわけですが、まかないさんがほぼ外人さんでした。
チェーン店でもコンビニでも外人さんの比率が高かったです。純和風の名前のラーメン屋さん
なのですが、厨房もウェイトレスさんも外人さん。飲み屋さんでも一緒でした。

そして「働く場所」だよなあって感じました。首都なので、日本の中枢におる人たちなので、
どうしたって仕事量も多いでしょうし、本部だらけでしょうし、シリアスさも規模も深さがありそうです。
そう感じるのは電車に乗ってる時で、人々の顔がくたびれています。
言葉も発さず、静かに乗車されていますが、感じる空気は「くたびれたー」のような気がするのです。

見所も、行きたくなるところも多いので、それはそれでいいものです。
ああ、そうそう、乗り物の路線図が分かってくると、楽しくなってきますね。

その1週間後、今度は京都大阪神戸を縦断し、新幹線で鹿児島という機会を得ました。
やっぱり外食とホテル住まい続きになるのですが、普段飲まない生活の私がこう連日連夜ビアーを
ジョッキでどーん、ってのと、部屋に戻ってからのおやつ名目で近くのコンビニで品定めってな
生活をしてると、うぬぬ、うまいもの、好きなものばかり食べたり飲んだりしてるのって、
「せいぜい楽しいのは3日だな!」という結論に至りました。
「串かつー」「ラーメンー」「枝豆ー」・・・3日だな、3日。飽きます。飽きます。

お腹もパンパンです。好きなものを飲んで、素敵な夜景にうっとりしても、やっぱり
「我が家が一番」なんですな、根っこが。性格にラグジュアリーな部分が抜けてるんでしょうね。
関西ではどこでも笑って喋って楽しかったし、鹿児島もはじめて行ったけれど、地域の空気が持つ
「威力」のようなものがずんずん迫ってきていて、ものすごく良かったのです。
ああ、この空気にこの海にこの山見てたら、生き様変わるわって。

それは東京圏でも同じことを感じました。ああ、ここで過ごしてたら変わるわ、って。
若い頃にも同じように感じたけれど、感じ方はそう変化しないみたい。

で、帰郷してみますと、あれま、こんなに地味なスタイルでしたのね、我が土地はとか思いました。
あきらかにアピール量の不足です。もっと派手にしてもいいし、もっとボリューミィに生きてていいのに
どうよこの地味さは!!と分かってたことなのに、再認識したのです。

時代や世相や時々の故事に人は感化されて育っていきますよね。「今の若い人は・・・」って
ずーっといわれてきてた言葉なんだろうけどさ、「自分をどこに据え付けるか」って決められるじゃない。
何かしたいことがあれば、できるところに自分を据え付ければ楽でしょうね。時には実力以上に
「周りの環境」が引導してくれることもありますから。それは実力以外のものも、運も、引き寄せますし。

それだけに、自分をどこへしつらえておくか、というセンスはもっと教育されていいと思います。
私は都会が好きにもならないし、田舎暮らしがサイコーとも思いません。居たところ、住んだところは
どこも好きでしたし、悪かったところなんてなかったです。
それでも、ひとつところでしか過ごしてこられなかったら全然気づけなかったようなことを、外地では
体験させられますから、これは実に心に財産となります。即お金になるものじゃない類いの豊かさで
どこか自分の中に「どこも一緒じゃん」と、そこそこにやっていけるしなんとかなるという
気持ちを芽生えさせました。

従来そういう性格ではなくどちらかと言えば頑固で職人気質の性格なので、「無理くり蹂躙される」生活は
本当に嫌々であるのに、「そのおかげで」できることや発想に幅が持てるようにされたことを
ありがたいって思うんです。思えたんです。あとあとにね。やっとね。

で、概ね大人になった人たちはどこかそこかでそういう目に遭ってきてるわけで、いわずもがなの
「だよなぁ」っていう静かな共感ができます。それができない人が大人にもごく稀に居ますが
残念な人です。ああ、残念残念。

旅は楽しいに決まってますよ。旅なんかで自分探しなんてできやしませんよ。楽しいだけですよ。
自分の中で凝り固まろうとしてるものが、ほんの少し「ホンワカ」してくれる時間を引き延ばせるのが
魅力なのでしょう。ゆるふわとしたものが多いと、人は自然と元気で居られますものね。元気がいいよねえ。